仏陀1/59ﾍﾟｰｼﾞ目
ブッダの教え人間はこの限りある人生の中で、どのように生きるかと言う課題を与えられてこの苦界に送り出されて来た者である、と考えますと、幸せで満ち足りた穏やかな海よりも荒れ狂う海で激流に揉まれる事こそ、私達の人生の意義であると理解することができます。
その本来の姿を忘れ、放逸に耽り、欲に溺れ、物事に執着し続ける事が人生であると考えれば、折角与えて頂いた「苦悩」と言う教材から何も得るところなく、尊い学びの場である人生を無駄に過ごさなければなりません。
なんと勿体ない事でしょう。
仏教の教えは、苦しみを無くする教えではありません。
苦しみを克服する為の教えなのですね。
様々な苦悩が渦巻く世間において、何事にも怯まずに自己を確立してゆける強い精神を養う為の、正しい智慧を学ぶ教えであると私は思っています。
言うならば、荒れ狂う海原に投げ出された私達に、「仏の教え」と言う命綱が与えられたようなものではないでしょうか。
この命綱に縋って救われる為には、煩悩と言う厄介な重荷を捨て身軽にならなければ救われません。
中でも、物事に拘る心、執着して貪る心、怒りや憎しみと言った心は、とても重くて捨てるには大変な努力と困難を伴います。
しかし、これを捨てなければ激流に呑み込まれてしまうのです。
やっとの思いで、全ての荷物を捨て去れば、今度は他者をも救い上げなければなりません。
細い命綱に、何人もの人が縋り付く。
切れるのではないか？と、不安になりますね。
でも、この慈悲の気持は細い命綱をより太く頑丈な綱にする功徳があるのです。
慈悲心を持てば持つほど、この綱は太くなってゆきます。
慈悲の心を持つ事で、自分のみか他者をも救われると言う事なのです。
＜＜重要なお知らせ＞＞
@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
[編集]